ぬいぬいにゃんこの雑学帖

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スラックスの裾がほつれやすい理由。お直し屋店員が解説します!

ぬいぬいにゃんこです。

ブログにお越しいただきありがとうございます。

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お直し屋でのご依頼も多い「スラックスの裾のほつれ直し」。

確かにスラックスの裾はほつれやすいです。

その理由は、使っているミシンの縫い目の構造と関係があります。

 

今回はスラックスの裾がほつれやすい理由についての記事です。

 

まつり縫い用のミシン「すくいミシン」

縫製工場やお直し店では、まつり縫い用のミシンがあります。

「すくいミシン」といいます。

業界では通称「ルイス」と呼ばれてます。

(アメリカのミシンのメーカー名なんですけど、何故かみんなこう呼ぶんです。)

 

当然ですが、まつり縫い専用です。

 

すくいミシンの特徴

このミシンは針が特殊な形をしていて、

1/4円状になっています。

針は左右に動きます。

 

ルイスは上糸のみ使います。

上糸で編むようにして縫っていきます。

かぎ針編みに例えると「引き抜き編み」をしています。

 

 

すくいミシンの縫い目がほつれやすい理由

ほつれやすい理由は「縫い目の構造」と「糸の細さ」が関係しています。

 

直線縫いミシンだと、

上糸と下糸を生地の間で絡めています。

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上糸と下糸が交差して縫い目を作っています。

ちょっと1ヵ所ひっかけたとしても、

2~3目ほつれたぐらいで止まることが多いです。

 

ルイスの場合。

縫い目が「環」(縫ってるというよりは編んでるに近い)なので、

1ヵ所ほつれると連鎖してスルスル~とほどけていってしまうんです。

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セーターとかカーディガンが1箇所ほつれたら、周りの編み目までほつれちゃうのと同じです。

 

おまけにルイスに使う糸は100番という細い糸です。

ロックミシンの糸が90番なのでそれよりもっと細いです。

糸が細いので、ちょっと強い力がかかると「ブチッ」と糸が切れてしまいます。

 

糸メーカーさんも色々工夫されているんですが、

糸は細くなれば強度はやはり落ちてしまいます。

あまり太い糸を使うと厚みが出てしまうし、表に縫い目が響いてしまって仕上がりが汚くなります。

 

手まつり(千鳥がけ)する方が丈夫ではあるんですが、

何十枚、何百枚と縫わないといけない工場では生産性重視ですくいミシンで仕上げてます。

 

ほつれやすい理由のまとめ

まつり縫い仕上げの裾がほつれやすい理由は2つです。

  1. 縫い目が「環」でできているので、1箇所ほつれるとほつれが連鎖してしまう
  2. 細い糸で縫っているので、ちょっと引っ掛けたり摩擦で擦れたりすると糸が切れやすい

 

私の勤務先では時々「すぐほつれるから頑丈にしてほしい」と言われることがあり、

その場合はルイスを2重にかけて対応させて頂いてます。

それでも1箇所ほつれるとポロポロほつれちゃうので、引っ掛けには十分ご注意ください(^人^)

 

ほつれにくい縫い方をご希望の場合は、三つ折(ステッチ)始末に変えちゃうのも手です。

スーツやフォーマルウェアはダメですが、カジュアルなものならアリですよ♪

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

何かお役に立てれば幸いです(=^x^=)